報恩講(ほうおんこう)とは浄土真宗を開かれた親鸞聖人のご命日をご縁として、そのご恩にお礼を申し上げる集いのことです。私たち浄土真宗門徒にとって、数ある年間の法会(ほうえ)の中で最も大切なものです。
親鸞聖人のご命日は弘長二年(一二六二)、旧暦で十一月二十八日、新暦では明けて一月十六日で、「御正忌(ごしょうき)」と申します。三重県津市一身田にある真宗高田派の本山、専修寺では毎年一月九日から十六日まで、「お七夜(しちや)」さんと称して、七日間昼夜にわたり親鸞聖人のご恩に報い、聖人九十年のご生涯の徳を偲び感謝する御正忌報恩講をお勤めいたします。
一般の寺院では、本山の御正忌報恩講が勤まるまでに「お取り越し」や「お引き上げ」といってそれぞれ報恩講をお勤めします。
「報恩講に始まり、報恩講に終わる」
という言葉があるように、一年のくぎりを正月ではなく、報恩講で一年を反省し新しい年を迎えましょう。